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よこしまちゃんぶろぐ

自己顕示欲ビンビン丸

清々しいほど破壊された君の心ん中

「日常に潜む狂気」という類のキャッチフレーズを謳う映画を最近よく見かけるけれど、日常に狂気が潜む世界を描いた映画があるのなら、最早狂気が軸となって日常が繰り広げられていく映画があっても面白い。この映画はまさしくそんな、「狂気に満ちた世界」での人間の生き様を描いた映画。誰1人として暴力を否定する人間は出てこず、何かあるたびにすぐに拳が飛んでくる町。治安が悪すぎる。まじで絶対に住みたくない。

映画『ディストラクション・ベイビーズ』予告編 - YouTube

主人公の泰良(柳楽優弥)は、怒りや怨念、復讐心、そういった暴力行動の裏付けとなる背景の出来事すら何もなく、ただひたすら無差別に目を付けた人間に暴力振るうことで自分を奮い立たせて生きている。この映画は彼のことを、感情の起伏の激しさゆえに衝動的に暴力に走ってしまう人間像として描いているのではなく、むしろ、暴力を振るう事こそが息をする事や感情を生む事に値しているんだということを示しているようにすら見える。泰良は、暴力無しでは息もしなくなりそうな勢い。そして、その姿に怯えながらもその一方で、泰良が暴力で注目を浴びている姿に魅せられたことをキッカケに、鬱憤を晴らすために泰良の舎弟になる北原(菅田将暉)、そしてもう1人、運悪く北原達に拉致されたはずが、最終的には恐怖が殺意に変わるさまに目覚めてしまう那奈(小松菜奈)。心が通う事がないままの若い3人が狂気に染まっていくさまを描いただけストーリー。友情も、情もない。あらすじを書こうと思っても初めから最後まで暴力に人が巻き込まれていく、本当にただそれだけの話としか言いようがないくらい。それなのに想像の何倍も惹き込まれるのは3人の役へのハマり度や演技力の高さゆえだと思う。

この映画での柳楽優弥はセリフが三言程度しかない。あとは体当たりの喧嘩を繰り広げるだけなんだけれど、この喧嘩シーンがもはや演技に見えないからすごい。本当にコンクリートに頭を打ち付けられて、足で顔を踏み潰されているんだから、目を背けたくなる気持ちさえ通り越してあまりの迫力に目を逸らさなくなる。 本当に暴力を振るい続ける映画としか言えない、この映画。けれど、なのに、それが最高に良い。その証拠として、映画賞を受賞したっぽいんだけれど、かつてこんなにも暴力的で希望のかけらも感じられない作品で映画賞を受賞した例なんて無いんじゃないかな。

決して善良的だとは言えないこの作品に魅せられた人はそれほど多いという事だ。

 「ディストラクション・ベイビーズ」、鑑賞する人を相当選びそうな作品だとは思う、何と言っても綺麗事や幸せなことは何一つ起きず、血が飛び散るばかりの映画だから。だけど暴力描写に抵抗がない人には、きっと私は「苛立っている時に観て欲しい一本」として人に勧めると思う。それくらい観ていてスッキリする。自分の中に湧き出る汚い感情を代弁するように何もかもボッコボコにしてくれる気がする。

 

暴力描写がスカッとする作品といえば、グ・スーヨンもとても好きな監督の1人で「ハードロマンチッカー」は高校時代に初めて観てから何度か見返している。

映画『ハードロマンチッカー』予告編 - YouTube

自分は絶対に住みたくも関わりたくもない世界で起きる暴力沙汰だからこそ、自分の中での発散したい気持ちを見事に蹴り飛ばせるような気分になれる。

感動や希望が無くても、そういう「胸糞悪さ」が爽快な映画があったっていいと思うし、綺麗事が存在しない世界を描いたものこそ本物の映画だとも思う。

 

ディストラクションベイビーズは向井秀徳の音楽が最高だし、ハードロマンチッカーはエンディングで流れる黒夢の曲が最高。

女の子が好まないであろう暴力映画が大好きな女の子は是非。

 

 

このブログ、本当誰に話しかけて誰に勧めているんだよっていう内容ばかりなんだけれど、まあ私が架空の読者にいかにも需要があるかのように趣味をごり押ししてるブログだと思っておいてください。